フィルムカメラを買ってカメラ屋さんでいざフィルムを買おうとするとたくさんの種類のフィルムがあって初めての方は戸惑うことがあるかもしれません。 今回はフィルムカメラ初心者の方向けにフィルムの種類と特徴について紹介します!
フィルムの種類
フィルムには数多くの種類があります。選び方を間違えるとカメラに取り付けられなかったり、また現像しても良い写真に仕上がらなかったりします。 フィルムの種類には大きく分けて4つありそれぞれ解説していきます。
35mm判フィルムか中判フィルムか
フィルムの大きさの違いで35mm判フィルムと中判と呼ばれるサイズのフィルムに分けられます。広く一般的に普及しているのは「35mm判フィルム」です。 下の図で左側が中判サイズのフィルム、右側が一般的な35mm判フィルムになります。 フィルムの縦幅が35㎜であることから35mm判フィルムと呼ばれています。 フィルムのパッケージには「135フィルム」と表記がありますが、これが35mm判フィルムです。 のちに紹介する中判フィルムはパッケージには「120」か[220」の表記が書かれてあります。 ややこしいのですが、135フィルム=35mm判フィルムのことです。 昔35mm判フィルムは映画用の長いフィルムが流用しており、暗室で短く切ってパトローネに詰め替えていました。 ドイツのコダック社によって販売された「135フィルム」はあらかじめ35mm判フィルムがパトローネに入っており便利で大ヒットしました。結果135フィルムという名前が普及し今に至るようです。 中判フィルムは35mmフィルムカメラよりもサイズが少し大きいもので、「ブローニーフィルム」や「120フィルム」などと呼ばれたりもします。
ISO感度の違い
感度が低いほど、粒子が小さくなり色再現性も良くなりますが、デジタルカメラなどの一般的な感覚では低い感度になるため手振れなどに注意が必要になってきます。 感度が高くなるにつれて粒状感が目立つようになりザラザラ感が出たり色再現が忠実でなくなってきます。撮影条件に合わせてISO感度を選ぶ必要があります。
ISO100
きめ細かい色再現性があり、緻密で繊細に撮影したいときに最適です。感度が低い分屋内や夜間での撮影には向いておらず、日中の明るい場面で撮影しなければいけません。値段も他のフィルムに比べてお手頃である場合が多いです。 FUJICOLOR 100
ISO400
カラーネガフィルムの一般的な感度で、明るいレンズであれば夜間や屋内など暗所での撮影も可能な万能な感度です。ISO100と同様に各メーカーから出されているフィルムの種類も豊富です。 Photo VISTA plus 400
ISO800
乗り物や子供の撮影など動きモノに対してシャッター速度を高めにキープしたい場合に最適です。ISO感度はそれなりに高い方になりますが、カラーネガであれば粒状性もそれほど気になりません。 FUJICOLOR SUPERIA Venus 800
ISO1600
ISO1,600はフィルムにおいては超高感度に分類され、室内での手持ち撮影や夜間など香料の厳しいシーンで威力を発揮します。富士フィルムから発売されていた「NATURA1600」が有名ですが、2018年3月をもって廃盤となってしまいました(+_+)。 FUJICOLOR NATURA 1600
ネガフィルムとポジフィルム
ネガフィルムとポジフィルムの違いについて紹介します。
ネガフィルムはプリント用のフィルムで一般的に使われているフィルムです。 写ルンですのような使い捨てカメラもこのフィルムを使用しています。 被写体の明暗や色が反転しており、プリントしてみなければ何が写っているか正確にわかりません。またポジフィルムに比べてフィルム1本の単価が安く、現像時に色の補正や露出補正ができるため初級者向けでもあります。 一方ポジフィルムは、現像後のフィルムが見た目と同じ色調になっているので、狙った通りの色をプリントすることができます。ただしネガに比べて割高で撮影後の色補正ができなかったり、ラチチュードが狭く露出がシビアだったりと上級者向けのフィルムとなります。
カラーフィルムとモノクロフィルム
こちらの違いは分かりやすいと思います。 色情報のあるカラーフィルムか白と黒の単色のみで表現されているフィルムかの違いです。 カラーフィルムにも出されているフィルムによって色の発色やカラーバランスが異なっており、自分の思う表現を反映させられる個性的な1本を見つけるのもフィルムの楽しみでもあります。 LomoChrome Purple XR 100-400 グリーンがパープル色に、イエローがピンク色に変わる個性的なフィルムです。 Lomography COLOR NEGATIVE 100 高コントラストでビビットな発色が特徴的で、赤と黄色が強めに出るフィルムです。ノスタルジーな色合いが特徴的なフィルムらしい写真に仕上がります。 モノクロフィルムもフィルムによって粒状感やシャープネス、コントラストが違っておりフィルムを選ぶ際に着目したいポイントです。 KONO! Rekorder ISO100-200 高コントラストで黒つぶれや白飛びし放題な個性的なモノクロフィルムです。
おすすめのフィルム
FUJICHROME PROVIA 100F
富士フィルムから発売されているカラーポジフィルムです。ベルビアと並び同シリーズ「フジクローム」の主力商品です。 高彩度な発色と微細な粒状性によりシャープな映りが特徴的で、他のフィルムに比べて割高ですが、綺麗で温かみのある色あいに惹かれること間違いなしです。
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DELTA 400
数多くのモノクロフィルムをラインナップしているイルフォードから発売されているDELTA400です。同シリーズはISO100,400,3200の3種類があります。富士フィルムのACROSSと同様にT粒子技術が使われ、超微粒子によるシャープネスの高さが特徴的です。ISO400で日常様々なシーンで活躍します。
PORTRA 160
コダックから発売されている人物の肌を美しく再現するPORTRAシリーズです。柔らかく、鮮やかな色合いと透明感のある白が特徴的なフィルムです。ポートレート撮影におすすめなフィルムです。
FUJICOLOR PRO400H
富士フィルムから発売されているカラーネガフィルムです。ナチュラルで落ち着きのある発色で、色転びが少なく厳密な用途に向いています。やわらかでなめらかな諧調表現により落ち着いた肌の描写が望めます。
主なフィルムメーカー
富士フィルム
微粒子で高い再現性を誇る高性能なフィルムを数多く揃えています。ISO100から1600まで数多くのラインナップを揃える日本を代表するフィルムメーカーです。同社が販売するデジタルカメラでもフィルムの製造を80年以上続けてきた色づくりのノウハウを活かしたフィルムシミュレーションも人気があります。
コダック
人物の肌を美しく再現するカラーネガフィルムのPORTRAシリーズが人気です。世界で初めてロールフィルム、カラーフィルムを発売したアメリカに本拠を置く世界最大の写真用品メーカーです。
イルフォード
イギリスの写真用品メーカーで、モノクロネガフィルムを数多くラインナップしています。定番のHP5のほかに高性能なDELTAシリーズが人気です。
おわりに
今回はフィルムの種類や特徴について紹介しました。初めてフィルムを購入する方はお手頃な価格帯のカラーネガフィルムがおすすめです。 ある程度フィルムに慣れてきたら、ポジフィルムやモノクロフィルムなど個性的なフィルムに挑戦してみるのも楽しいかもしれませんね(*^-^*)さまざまなフィルムを使って、上達してフイルムライフを楽しみましょう!! 別の記事でおススメしたい個性的なフィルムやコンパクトフィルムカメラを紹介しています。 良ければ合わせて読んでみて下さい(^-^)
最後までご覧いただきありがとうございました。