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モノクロフィルムを自家現像してみた!【自家現像part2】

2022年6月8日

前回の記事では家でモノクロフィルムの現像を行うために必要な準備物について紹介してきました。

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今回は用意した薬液を実際に規定濃度にして準備し、実際に現像を行う方法を紹介します。 ではレッツトライ!!

薬品を希釈して規定濃度の薬液にする

現像液を作る

現像液から作ります。
1ℓのビーカーと攪拌棒、ミクロファイン(現像液)を用意します。
ビーカーに約50度のお湯を1ℓいれて、少しずつミクロファインを入れながら攪拌棒で攪拌していきます。
薬品用タンクまたはペットボトルに入れて保管します。
ミクロファインの場合、原液を水と1:1の比率で割って薄めても大丈夫です。経済的に考えるとこちらの方が良いです。

今回私は原液のまま使用します。原液で使用する場合と、1:1で薄めた場合とでは現像時間に違いが出ます。

ミクロファインを少しづつ入れて溶かしていきます。はじめは白色ですが、攪拌していくうちに透明になってきます。

停止液を作る

次に停止液を作ります。
今回は1ℓ分作成しました。
水(水道水)1ℓにクエン酸を30g入れて攪拌棒で溶かします。
こちらも薬品用タンクもしくはペットボトルに入れて保管します。

停止液 作り方

定着液を作る

定着液を作ります。
スーパーフジフィックス-Lは希釈して使用する必要があります。水と1:2の比率で割ります。

1ℓ用のビーカーを準備しているので、スーパーフジフィックス-Lを300mlと水を600mlいれて攪拌します。
その後は薬品用タンクorペットボトルにいれて保管します。

定着液 作り方

水洗促進液を作る

富士QWを水2リットルに徐々に入れながら攪拌します。水色のやばそうな感じがあります笑。

乾燥促進液を作る

富士ドライウェルを10ml(キャップ内ねじの一番上まで)を水2リットルにいれて希釈させます。

現像タンクにフィルムを巻き付ける

フィルムピッカーを使って、フィルムのベロを出す

下の写真のようなフィルムピッカーを使って、パトローネからフィルムを数センチ取り出します。 慣れれば楽ちんです。

フィルムピッカー 使い方

フィルムピッカーにスライドする部分が二カ所あり、パトローネ内のフィルムを挟み込んで引き出す機構になっています。

フィルムピッカー 使い方 フィルムピッカーの使い方は実際の動画を見た方が分かりやすいと思いますので、参考に他のユーザーさんがアップされている動画を載せておきます(^-^)

リールにフィルムを巻き付ける

取り出したフィルムをリールに巻き付けます。
フィルムの先端を切り落としても、切り落とさなくても大丈夫です。リールに巻き付けやすい方で選んでください。
リールへの巻き付けは必ず暗室やダークバッグの中で作業してください。ダークバッグを使用する方が暗室の場所を確保せずに済むためおススメです。

この作業は一切手元が見えない状態なので、事前に練習を行うと良いでしょう。
1つフィルムを犠牲にして練習しましょう。
ダークバッグの中に蓋の開いた現像タンク、リール、フィルム、ハサミを入れます。
ダークバッグは二重ジッパー構造になっているので、必要な準備物を入れてたら蓋をして、手を入れる箇所が2か所あるので、そちらから手を突っ込んで作業します。

下の写真は現像タンクと現像に使用するフィルムです。
フィルムをリールに巻き付けていきます。(必ず暗所で実施すること

現像タンクの中にフィルムを巻き付けるリールが入っています。 フィルムをパトローネから取り出し、リールの中央部の金具にひっかけます。金具がフィルムを巻き付ける際のストッパーの役目を果たします。

現像タンクにフィルムを巻き付ける方法

どんどん巻いていきます。
指先の感覚を頼りにそのままフィルムを徐々に引き出して、リールに巻き付けていきます。定期的にフィルム同士が重なったり、リールから脱線していないか指先で確認しながら巻き付けます。
なにかおかしい」と思ったら落ち着いて巻き戻して最初からやり直しましょう。途中でダークバッグの中を見ることはできません。
巻き終え時。36枚入りのフィルムで丁度いっぱいになる感じです。

現像タンクにフィルムを巻き付ける方法

フィルムが重なり合っていると、現像後にムラが出る原因になるので、指先の感覚でしっかりとリールに巻き付いているかを確認してください。

現像タンクにフィルムを巻き付ける方法

巻き終えたらハサミでパトローネから切り外します。

現像タンクにフィルムを巻き付ける方法

後はリールを現像タンクに入れ、蓋をしたら完了です。ダークバッグから取り出して問題ありません。

現像タンクにフィルムを巻き付ける方法

これで自家現像を行う準備が整いました。

実際に自家現像を行う

自家現像を行う準備が完了したら、いよいよドキドキの実践です。
一度現像をスタートさせると時間との戦いになるので、頭の中で一連の流れを整理するか、メモを取って現像を行ってみましょう! レッツトライ!!

今回解説で使用しているフィルムは「NEOPAN ACROSSⅡ」、現像液は「ミクロファイン」停止液に「クエン酸」、定着液は「スーパーフジフィックス」を使用しています。

水洗促進剤として「富士QW」、感想村を防ぐために「富士ドライウェル」を使用しています。
現像の工程をざっくり振り返ります。

メモ

現像液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

停止液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

定着液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

現像タンクを開け、水洗し、フィルムに残った薬剤を落とす。

フィルムに水滴がつかないように素早く乾燥する。

現像液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

現像液は温度によって時間が異なります。 ミクロファイン

今回は常温で放置していた現像液の温度が22℃なので、原液の場合8分30秒現像を行います。
現像液をタンクに注水してから最初の1分間は連続で攪拌し、その後は1分ごとに5秒ずつ攪拌し既定の時間が経過するまで繰り返します。

フィルムに気泡が付いてしまうと現像ムラができることがあるので、それぞれの攪拌の最後にタンクをコンコンと叩いて気泡を取り除いてあげましょう。
私は排水の時間を考慮して、規定の時間が経過する10秒から15秒前に排水を行っています。

停止液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

お次は停止液です。
現像液を排水しても残った現像液によって反応は進行しているので、その作用を停めるのが停止液です。

停止液は注水してから30秒から1分ほど連続攪拌して時間が経過したら排水します。
これで反応は一旦終わったので一息つくことができます。停止液については廃液タンクに戻さずに捨てても大丈夫です。

定着液を注水して規定の時間攪拌し、その後排水する。

停止液で化学反応を止めた後はフィルムの画像を安定させるために定着液を入れます。
最初の1分は連続攪拌し、その後は1分毎に30秒攪拌を行い、合計10分定着液に浸します。

この定着を怠ると残留したハロゲン化銀が黒ずんでムラができてしまうので注意が必要です。しっかり定着を行いましょう。

定着液は使いまわすことができるので、使用後は元のタンクに戻しましょう。

現像タンクを開け、水洗し、フィルムに残った薬剤を落とし乾燥させる。

現像タンクの蓋を開けてまずは予備水洗を行います。
水道水などで1分ほど流水でフィルムを洗い流します。次に本格的な水洗に入ります。

青い色の液体(富士QW)を入れ10分ほど攪拌させます。 十分に水洗いが終わったら、ドライウェルを入れ30秒ほど攪拌させて最後にフィルムをリールから外してフィルムをフィルムピッカーに挟んで吊り下げて乾燥させます。ちゃんと現像できているか光にかざして確認してみましょう(^-^)

自家現像

おわりに

今回は自家現像のやり方について紹介しました。
最後に現像タンクの蓋を開けるまではちゃんと現像できているかドキドキです。この瞬間の感動が自家現像をやっていると良いんですよね(^-^)

自家現像はお店で現像を依頼するよりも手間はかかりますがその分1枚にかかるコストを抑えることができ、フィルムの1枚1枚としっかりと向き合っている感覚にさせられます。

道具さえ揃えればお家で気軽に挑戦できるので皆さんもチャレンジしてみて下さいね!

最後までご覧いただきありがとうございました(^-^)

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Takuro

フィルムカメラオタク|28歳|大阪在住
主に休日にフィルムカメラを片手にいろんな場所を訪れ、写真を撮るのが好きなごく普通のサラリーマンです。当ブログでは主にフィルムカメラに関する知識をわかりやすく発信しています!
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